h-tg2’s diary

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チリ産鮭続きの話

チリ産鮭情報で新たな展開。フォロー記事がありました。

www.salmon-garage.com

 

情報が混沌としていていまいち全体像が把握できません。

そこで、チリでのサーモン養殖についてちょっとだけ調べてみました。

チリ水産養殖プロジェクト | 国際協力60周年 - JICA

これによると、JICAの技術支援により、1970年台から約20年間の技術支援があり今に至っているようです。随分前から取り組んでいるということが分かりました。

上記サイトの中にJICAの資料がありますが、日本人技術者の投入、環境整備、現地の人の雇用などにかなりの支援金が使われていることが予想されます。鳴り物入りのプロジェクトです。ただ、1970年から20年間なので、少なくとも2000年までには技術(資金)援助は終了し、民間業者に運営が引き渡されているかと思われます。

 

次に、日本ではどのような業者が取り扱っているかというと、簡単に調べられる限りでは、

・東洋冷蔵株式会社【3】地球の裏側 チリから日本へ | 東冷'S WORK | 東洋冷蔵株式会社

マルハニチロ株式会社サーモンミュージアム(鮭のバーチャル博物館)|マルハニチロ株式会社

と、ここまで調べたところで、マルハニチロのHPに気になる文章を発見。

日本側はチリ側の事業主体となるチリ政府職員を日本に招き、ふ化場等のサケマス増殖・養殖施設で研修させ技術を習得させました。日本で学んだ研修生及び関係者は20人にもなりました。わが国は18年に亘り日本産サケの資源造成技術協力を行い1986年に終了しました。放流回帰の実績はシロサケにおいては1985年に放流地点より700km離れたチリ最南端で成魚が7尾漁獲されたに留まり、南半球にサケマスの一大海洋資源を造成するという遠大な計画は達成されませんでした。しかし一方、湖に注ぐ河川にて放流されたサクラマスは、放流地点に1%の回帰が見られ、その後、湖に資源が定着した事が確認されました。 

 あれ?JICAの事業は民間に引き渡されたわけではなかったみたい。あくまで鮭もできるかもねっていうネタを撒いただけで、実際にその事業を実現できるようになるにはマルハニチロが結構貢献しているみたい。

 ちなみに、このJICAの取り組み方、批判される方もたくさん居らっしゃるかもしれませんが、私は支持派です。ネタがないところに研究者はたくさん集まってきません。初回の取り組みが実は失敗していても、研究者がガンガン入ってくれば、改良した手法で成功例は一個くらいできるかと思います。これは理研STAP細胞への取り組み方にも通じてるかもしれませんが。今日本ではSTAPを研究できないような雰囲気に感じますが、ここで羊のようにびびっていると世界からドンドン取り残されて、STAPの特許も論文も成果も逆輸入しなければならなくなるかと妄想してます。まあ、景気も悪いしそれでいいという人も多いのかもしれませんので特に気にしませんが。

 

また、以下の報告書では、チリの中でもどの地域で汚染が広がっているのかや、従業員の状態、外部要因についても報告されているので分かりやすかったです。

チリ南部におけるサケ・マス養殖に関する調査報告(2007年)

http://www.parc-jp.org/kenkyuu/2008/chile-salmon2006.pdf

操業中の養殖場・加工工場に対しても、定期的な水質検査(海底環境検査)49が義務づけ られているが、この検査は企業による自主検査であり、報告義務はあるものの、公共機関 が実施に携わっていない。

 

加工工場に関しては、最近もマリン・ハーベスト社の工場において浄水装置の故障によ って川に排水が垂れ流された事実が判明し、罰金刑が下されている。

 

ケジョンのサラ漁民組合長によれば、他の国には存在する「海底の堆積物の処理を養殖 業者に義務づける法律」が、チリには存在しないことが問題である。このような法律が存 在するノルウェーやカナダでは、汚染物質を吸い上げて処理しているというが、その実施 には高度な技術が必要であるという

マルハニチロや東冷のHPからは厳しくチェックした上で日本へ輸入しているように感じられますが、タカタのエアバッグ事件のように、品質安定について、日本から現場へ行く人間も減らし、数字だけしかチェックしてなくて、加締め適当になってるとこありました、とかもあると思うのでなんとも言えません。

 

短い分析ではありましたが、ここまで総合すると、

・日本の業者が輸入しているところは少なくとも安全性は高そう。(孫請け会社等不正なしの場合)

・ただ、鮭養殖では解決すべき課題も多い。

ということかと思います。

 

チリ産の鮭について、そんなにびびることは無いかと思いましたが、安かろう悪かろうは、念頭に置いておいた方がいいかなと。汚染物質吸い上げ処理なんてしてたらチリ産の鮭は一気に値段が上がってしまうでしょう。

 

以上チリ産鮭続きの話

でした。